エンジェル投資家として第一の仕事は揚げ足取り、後ろ向きの批評家、言い訳屋、要するに考えのスケールが小さい人間の言うことに起業家が耳を貸さないよう盾になることだ。
普通のナンバーズくじでは7個の数字を正しく当てねばならない。これは100万分の1の確率だ。一方、私は、2個の数字を当てるだけでよい。本書で説明したいのは、どうやったらそんなことができるのか、私はどうやってシステムを出し抜く方法を発見したのかということだ。(本書より)

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エンジェル投資家とは、会社立ち上げ初期期の非公開企業に投資し、投資した以上のリターンを得ること。一般的に投資期間は3年以内。
著書は、ウーバーのエンジェル投資家として、シリコンバレーでは著名な人物。著者がウーバーに投資した時、ウーバーは1つの都市でしか運営されておらず、契約車両は数台のみ。。今やウーバーの企業価値は、700億ドルを超え、エンジェル投資家としてのリターンは、5000倍以上との事。

本書は、エンジェル投資家やエンジェル投資家を目指す人を対象に書かれた、投資家のための投資指南書的な内容になってますが、企業経営者やベンチャー起業家だけでなく、あらゆるビジネスパーソンにも自らの事業を考える上でのヒントとなりそうです。

●2つの数字を絞り込む方法


では、ナンバーズで2つを当てるだけで良い、その数字に絞り込む方法とは?
本書で述べられているのは、スケールの小さなアイデアやレストラン業など、スケーリング(数千万~数億ドルの売上のこと)できないビジネスは除くこと。そして、一貫して述べられているのは、企業経営者、つまり人が全てであるということ。

「どのプロダクトが成功しそうか」など私には絶対に予測できない。だから「どの人間が成功しそうか?」を判断する努力をしなければならない。」

●投資先を選ぶための最初のステップ

人が全てということで、本書では、創業者に対して、問うべき質問を明確に示しています。
では、なぜ、創業者にその質問をするのか?それは、自分自身が、投資先に対する質問に答えられるために、4つの自問に答えるべきとしています。

・この創業者はなぜこのビジネスを選んだのか?
・この創業者はどこまで本気なのか?
・この創業者はこのビジネスで成功するチャンスはどのくらいか? 人生ではどうか?
・成功したときの収益や私へのリターンはどのくらいか?


●創業者を選定するための最初の4つの質問と次に問うべき5つの質問


本書で述べられる人が全てということに対して、著者は創業者に対して問うべき幾つかの質問を紹介しています。これら質問内容と、なぜその問いかけをするのかが、本書の肝と言えるでしょう。
つまり、以下質問をすることによって、自問すべき4つの質問が明確になるという事です。

1:あなたは今どんな仕事をしていますか?

→ポイントは、その会社ではなくて、創業者である個人が何かしているのかを聞くこと。創業者と創業者の仕事を尊重するため。

2:あなたはなぜこれをやっているのですか?

→最悪の答えは、「お金を儲けるため」、そして、「(成功して会社名を挙げ)その会社がまだやっていないから」の2点。正しい答えは、個人的な経験にものづくもの。

3:なぜ今ならこのアイデアが成功するのか?
大切なのは誰が最初かではない。市場が熟した時に、誰が最初になるか。
・Google:12番目の検索エンジン
・Facebook:10番目のSNS
・iPad:20番目のタブレット
→ウーバー:大きくて美しいタッチスクリーンを可能にした強力なモバイルCPUと、高精度のGPSがあったから
ユーチューブ:ドットコムバブル崩壊で通信コストが急激に下がり、クラウドコンピューティングの新技術のためストレージコストが下がったこと。また、ブログが本格的に広まっていて、動画をブログサイトに埋め込む巧みな方法を提供したから

4:あなたの不当なまでの優位性は何か?

言い換えれば、「このビジネスを追求するうえで、あなただけに与えられた特別な資格はなんですか?既存勢力と俊敏な後発の両方に打ち勝つ秘密は何ですか?」
・Facebook:ザッカーバーグがハーバードの学生で、キャンパスカルチャーを理解し、学生名簿を活用できたから
・マイクロソフト:IBM初のPCのOSを開発することになったきっかけは、ビル・ゲイツの父とIBMのCEOが、共に慈善団体の役員を務めていたから

さらに、次に問うべき5つの質問とは、事業内容に関する事。創業者がどうやってビジョンを実現するのか?それを聞くための著者の質問は、以下の5つ。

1:「競合について教えて下さい」
2:「どうやって利益を出しますか?」
3:「顧客にはいくら請求しますか?」
4:「平均的な顧客はいくら使いますか?」
5:「このビジネスが失敗する理由のトップ3を聞かせて下さい。」


詳しくは、是非、本書を。

●エンジェル投資家として第一の仕事と一番の仕事


最後に、著者が掲げるエンジェル投資家としての第一の仕事と、一番の仕事を紹介して終えたいと終えたいと思います。

エンジェル投資家として第一の仕事は揚げ足取り、後ろ向きの批評家、言い訳屋、要するに考えのスケールが小さい人間の言うことに起業家が耳を貸さないよう盾になること。

エンジェル投資家にとって一番の仕事は、CEOが苦悶しているときにはそこにいて、話を聞いてもらっていると感じさせ、自分が見方であることを確実に分からせることだ。地雷が埋まっている場所を教えて正しい方向に導くことはできても、運転を交代してパイロットになることはできない。