英国PUB文化を日本にも広めたい。ダイエー 創業者 中内さんの想いは、HUB/82として日本中に展開され、その事業化きっかけのコンセプトは、店員のホスピタリティの高さに加え、メンバーズ・カードのロイヤルティ・プログラムにも反映されている。

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※ https://www.pub-hub.com/ より入手した画像を掲載しました。

今回は少し趣向を変えて、リアルの営業店舗を活用したなかなか興味深いエンゲージメント・マーケティングの取り組みをお伝えしましょう。ストーリーを知れば、きっとその店に足を運びたくなるはずです。

HUBとは?

ダイエーの創業者 あの中内さんが渡英した際に、英国のPUB文化に触れ、こうした文化を日本にも広めたいとの想いから、ダイエー・グループが1980年に創業したのがHUBの始まり。お酒とおつまみをキャッシュ・オン・デリバリーで手軽に楽しむを基本とするため、アルコールのメニューは豊富で、フードメニューはシンプルで格安、「居酒屋にはしない」という、中内さんのコンセプトが受け継がれるカジュアルなBARです。現在は、100店舗を突破、82という新業態の店舗も開発し、2017年には一部上場も果たしています。

メンバーズ・カードの仕組み

今回紹介するのは、HUB/82が提供するメンバーズ・カードの仕組みとなりますが、まずは基本的な利用のルールを紹介しましょう。メンバーズ・カードの発行には、入会金500円が必要となりますが、会計の際にそのカードを提示すれば、HUB/82共通で、常に飲食代が5%OFFになり、ポイントが溜まります。また、メンバーズ・カードの有効期限は最終来店日より1年間、また、利用に応じて、飲食代が常に7%OFFになるゴールドカードへのランクアップが存在します。

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※ https://www.pub-hub.com/ より入手した画像を掲載しました。

こうしたメンバーズ制度の仕組みは、店内にも案内があり、溜まったポイントに応じて、飲食券が手に入ったり、ゴールドカードへのランクアップのことも明記されていますが、そのランクアップの条件がどこにも明記されていません。

ゴールドカード ランクアップの条件とは?

我が家の近所に82があって、今ではすっかり一人飲みの常連客となりましたが、ある時、顔馴染みの店員さんに、ランクアップの条件を聞いてみました。すると、返ってきた答えは、「1ヶ月間のその店での来店頻度」との事。すかさず、ランクアップした客の来店頻度を聞いてみると、なんと「ほぼ毎日」!との事。
少し補足すると、例えば、品川にある82の店舗を対象とした場合、1ヶ月間で、最も来店頻度が多かった客 上位2名のみにランクアップの権利を与えるというのが、ランクアップの条件です。

中内さんが目指した日本での英国PUB文化の継承

通常であれば、ランクアップの条件は、その店に一番多くお金を落とした客、つまり、1ヶ月間の利用金額となりそうです。しかし、事業化のきっかけは、PUB文化を日本に定着させること。つまり、英国PUB文化の一つが、気軽に立ち寄って、手軽にお酒を楽しめるという条件だったとすれば、そうした店というを日本にも広めること。たまにしか来店せず、たくさんのお金を落とす客よりも、ビール1杯だけでもフラッと来店し、頻繁に通ってくれる客を大事にする。中内さんの遺志がメンバーズ・カードにも引き継がれている様で、うれしくなってしまいました。

ちなみに私が度々通う店は、品川にある店ですが、店から帰る際には、必ず定員さんに、店先までの見送りとお礼の挨拶をして頂きます。キャッシュ・オン・デリバリーの店ですので、客は退店時に会計を済ます事もなく、勝手に帰りますが、いつでも客の様子を伺うその姿勢や、カジュアルでありながらもフレンドリーかつホスピタリティの高さは、急成長の源泉であると言えます。

最後に、HUB/82のWebサイトコンテンツ、What is the HUB? を紹介し本記事を終えたいと思います。

HUB【hʌb】=ハブ 車輪の中心。転じて、人の集まるところ。

仕事を終えたビジネスマンたちが集まってくる。ビール片手に、つまみはフィッシュ&チップス。
2杯目はギネスにしようか?ハブエールにしようか?
おしゃべりに興じ、音楽に耳を傾け、気の合う仲間たちと過ごす夜はあっという間に過ぎていく。
年齢も職業も性別も違う人々が自由に集まり、それぞれの楽しみかたで、素の自分に戻れる場所。
それが、英国風PUB HUB(ハブ)。


*【PUB】とは【Public House】の略。公共の場所、みんなの家という意味。