社会の問題は、社会の機能不全であり、社会を退化させる病である。
それは組織、特に企業のマネジメントにとっての挑戦である。機会の源泉である。
社会の問題の解決を事実上の機会に転換することによって自らの利益とすることこそ、企業の機能であり、企業以外の組織の機能である。
マネジメント 基本と原則:ピーター・F・ドラッカー
SGC表紙
2017年 夏頃から継続して株式会社 メンバーズのコラムサイト(http://blog.members.co.jp/category/creating_shared_value)での連載をしている「Social Good Company」
この度、これまでのインタビュー記事を改めてとりまとめ、2018年3月末にフリーペーパーとして紙の冊子を発行しました。

冒頭のドラッカー氏のメッセージは、企業がSocial GoodやCSV経営へのシフトを行う意義を端的に述べたものですが、Social Good Companyとしてこれまで紹介した企業は、社会課題を機会の源泉としてとらえ、経営戦略に組み入れ実践しているトップランナーと言えるでしょう。
この場を借りて、お忙しい中、貴重なお時間を割いてインタビューにご協力頂きました事に御礼申し上げます。

本ブログでは、今回以降、複数回に分けて、以下、掲載企業インタビューの所感やポイントを綴っていきたいと思います。

Social Good Company VOL.1 インタビュー掲載企業の皆さま
・セブン-イレブン・ジャパン
・西武信用金庫
・キリンホールディングス
・良品計画
・ネスレ日本
・シチズン時計・プラン・インターナショナル
・クレディセゾン 横浜支社

目次

Social Good Company とは?

まず、はじめに冊子冒頭にも記載しています、Social Good Companyの定義を紹介します。

私たちは、" 社会課題をビジネスで解決することで継続的な利益を創出し、持続可能な世界を創ることにコミットしている企業”を Social Good Company と定義しています。
よりダイナミックに社会課題を解決するには CSR 活動ではなく、社会課題を企業のビジネス課題やニーズとして捕まえ、ビジネスやマーケティングに組み込むことが必要です。
弊社が独自で行う一般消費者向け調査でも、社会課題に関心を持つ消費者は増えており、社会課題の解決に取り組む企業やブランドの商品購入意向は、実に 6 割を超え、特に若い世代はこの傾向が強まっています。
このトレンドはグローバルでより顕著であり、リーダー企業の多くがこのテーマを経営戦略に取り入れています。課題先進国ニッポンにおいても、社会課題解決をビジネスを通じて積極的に推し進めることは、新しい事業機会の創出と競合他社との差別化戦略になり得るものであり、持続可能な社会を創る上での新しいマーケティング戦略であると言えます。

私たちは、2012 年の創業以来、共通価値の創造を基本に、Shared Value Agency® として、マルチステークホルダーとの共創により、マーケティング革新を起こし、社会課題の解決とビジネス目標の達成の実現をミッションとして掲げてきました。
そして、この度、こうした取組みを積極的に行う Social Good Company の皆さまにインタビューを実施し、それら内容を冊子として取りまとめました。
本冊子を手に取って下さった全てのビジネス・パーソンの方々に、Social Good Companyに向けた舵取りの指針になることに少しでも貢献出来れば、これ以上の幸せはありません。
Marketing They Are a-Changin’


インタビューの取材の申し込みやインタビューに協力頂いた方々に必ず質問されることが、なぜ雑誌社やWebメディア企業でないのに、こうしたインタビューを行い情報発信をしているのか?
それに対する回答は、親会社であるメンバーズのミッションの一つに、「CSV経営の世の中に広めていくこと」を掲げているからと回答しています。
「多額のマーケティング費用を持つ大手企業の多くがCSVを実践することで、マーケティングコミュニケーションの在り方が共感を中心とした「社会をより良くするもの」へ転換され、それが更に人々の社会貢献消費を大幅に促進する相乗効果を生み出す」 (MEMBERS STORYより http://www.members.co.jp/company/membersway.html)と考えているから。是非、こちら MEMBERS STORYのサイトもご覧下さい。


<セブン-イレブン・ジャパン>
SGCセブン
株式会社 セブン-イレブン・ジャパン(所属・役職は取材当時のもの)
 オペレーションサポート部 総括マネジャー兼 企業行動推進室 社会価値創造部会長 安見 勉 様(左)
 オペレーションサポート部 オペレーション支援 担当マネジャー 大内 実 様(中)
 企業行動推進室 マネジャー 千葉 茂 様(右)


今さらここで、セブン-イレブン・ジャパン様(以下、セブン)のことを紹介することは省略しますが、誰もが知る日本最大のCVSチェーン。
インタビューは、2017年10月の店舗に従業員や地域の方々が利用可能な保育施設「なないろ保育園」の開設に併せて、セブンが進める地域の社会課題を起点とした、CVSとして事業を通した様々な取り組みを多くの方々に知って欲しかったからと言えるでしょう。

本インタビューでの一番の驚きが、地方自治体とのコミュニケーションを行う専門部署を設置していること。社内組織を前項21の地域に分け、2013年からその地域ごとに、地方自治体との連携をメインとする総務担当マネージャーを設置していること。
地道な地域とのコミュニケーションは短期的な成果は出にくいかもしれませんが、地域の方々との信頼関係を築き、地域で何か出来るのか常に考えていることが、保育所サービス以外のあんしんお届け便やらくらくお届け便を生むきっかけになっていると言えます。

セブンの取り組みは、地域の方々との信頼関係を築き、地域課題解決のための共創であることを強く感じたインタビューとなりました。
セブンbook

インタビューコメントのポイント


「様々な方々から、商品の美味しさや、こだわって作っていることにご理解を頂いています。しかし、弊社が考えていることを理解して頂くのはなかなか難しい。取り組んでいることを正しく伝えることは、大事な役割であると感じています。」

「日頃の業務を通して考え続ける中から、色々なアイディアが出たり、様々な人との会話の中で、繋がりが見えてくる。小さな店でも地域のために何が出来るかを考え続けていると、その中からアイディアが生まれる、それが本質的なCSVであると思います。」

「社会価値創造の材料は、次から次へと自然に生まれてくるものではありません。それは、常日頃から仕事に組み込んでいるからこそ創出されるイメージです。それには、外部の方々と色々な話をすることがとても重要です。それが良いヒントなり、繋がりを生むことになります。」


<西武信用金庫>
SGC西武信金
超低金利政策により、国内金融機関の収益が低迷する中で、好調な業績を上げているのが東京都中野区に本店を構える西武信用金庫(以下、西武信金)です。メガバンクや地方銀行も合わせた預貸率の平均が70%弱と言われる中で、西武信金は83.49%。成長の原動力の一つが、社内外ネットワークも含めた、3万人体制によるコンサルティングサービスと、7年前に就任し、社内外で型破りや取り組みを進める落合理事長の強力なリーダーシップであると改めて感じました。

インタビューの中で、何度が理事長からコメントがあったのが、私達は、投資家の出資による株式会社ではなく、会員のメンバーシップによる協同組織であること。投資家保護ではなく、利用者保護を最優先しているということ。
地域経済の活性化を目的とする地域金融機関だからこその明確な立ち位置であり、そもそもの信用金庫成り立ちの意義を愚直に進めていると言えるでしょう。

落合理事長01
西武信用金庫  理事長 落合 寛司 様

インタビューコメントのポイント


「5年後、10年後に地域が元気にならないと意味がありません。儲からなくても、地域のNPO 向けローンを販売するんです。社会的ニーズに対応したビジネスモデルを作れば、利益は増えるんです。」

「私たちの金融機関は会員組織であり、メンバーシップだから、会員一人ひとりが投資家であり利用者なんです。」

「こうした変革の時代に、変えること、変えないものをどう見極めるのか?それは、原点に立ち返ること、この組織は何のために世の中に生まれてきたのか、原点を失わないことです。そして、私たちの場合は、協同組織の金融機関であったわけです。」


次回以降も複数回に分けて、掲載企業の皆さまをご紹介します。
※冊子はメンバーズ・グループのお客様を中心に無料で配布しています。ご希望の方はお知り合いの社員までお声掛け下さい。