エンゲージメント・カンパニーとは、「企業が提供する普遍的な価値や商品、サービスに共感し、継続的な購入・利用に加え、商品改善のために意見や顧客体験を提供したり、知人への積極的な推奨が行われる企業であること。競合との差別化戦略よりも、顧客との共創戦略を実行する企業」では、エンゲージメントの向上は売上に寄与するのか?本ブログでは、こうした疑問の立証に挑みます。

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私が所属するエンゲージメント・ファーストでは、「競合との差別化」を追求するマーケティングから、「社会課題」を起点とするエンゲージメント・マーケティングを提唱し、クライアント企業の皆さんのマーケティング戦略の支援を行っています。
今回は、実際の一般消費者を対象としたエンゲージメントの可視化やエンゲージメントを高めることは、企業の立場から経済的な合理性があるのか?ストレートに言えば儲かるのか?こうしたことに対して、調査結果をもとに報告したいと思います。

エンゲージメント・カンパニーの定義

エンゲージメント・カンパニーって何?、その疑問に答えるため、弊社では、エンゲージメント・カンパニーを以下の通り、定義付けています。

「お客様や従業員、取引先等のステークホルダーが、企業やその企業が提供する普遍的な価値や商品、サービスに共感し、継続的な購入・利用に加え、商品改善のために意見や顧客体験を提供したり、知人への積極的な推奨が行われる企業であること。競合との差別化戦略よりも、顧客との共創戦略を実行する企業」

キーワードを分解すると
●企業価値や商品・サービスへの共感
●継続的な購入・利用
●意見や顧客体験の提供
●知人への積極的な推奨
が挙げられますが、では、そうした事ってどうすればいいの?ってことになりますよね。
一般の狭義的なことでは、SNSのエンゲージメント率やリアクション等を計測することになりますが、弊社では別の観点から深堀りを進めています。

ちなみに、エンゲージメントというキーワード。一般的には、絆、約束、婚約、契約等の意味がありますが、以前に10年来のお付き合いをさせて頂いているオルタナの森編集長から聞いて話によれば、歯車と歯車がガッチリと噛み合った状態という意味もある様です。
まさに、カスタマー・エンゲージメントとは、企業と顧客が強固な関係を保ち、一度その関係性が機能すればなかなかその歯車は外れないその関係性をうまく言い得ていますね。

カスタマー・エンゲージメント可視化のための調査手法

では、カスタマーエンゲージメント可視化のために、どの様な調査を行ったのか紹介しましょう。
まずは、Webアンケート調査の手法により、特定の複数の業種を対象に、一般消費者(Webアンケート回答者)に対して、ここ数ヶ月でもっとも商品購入や利用頻度が高い企業を、アンケート回答者ごとに特定して頂きました。

ファストファッションのカテゴリーであれば、今回の調査では、良品計画さん(無印良品)は、ファストファッションの業種カテゴリーに組み入れさせて頂き、その他、ユニクロ、GAP他、海外のファストファッションブランドもその対象として選択肢として設定しました。ある程度の出現数を確保した上で、調査対象ブランドとして、今回は、無印良品・ユニクロ・GAP・しまむらの4社がその調査対象となりました。

こうして、例えばユニクロを選択肢として選んだ一般消費者に対しては、以下10の設問に回答を頂いています。
(ユニクロを選択として選んだ回答者→●●●は、ユニクロ)
cxサーベイ設問
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これら設問設定の背景や考え方は、前回紹介したコトラー氏のマーケティング・コンセプト等も参考に、以下考えを基本と整理しています。

弊社が掲げるエンゲージメント・マーケティングの定義や今回の調査は、コトラー氏のMarketing3.0の基本コンセプトを参考にしています。企業のマーケティングは、商品やサービスの顧客側の評価である「顧客満足度」から、優良なリピート顧客やライフタイムバリュー重視のマーケティングへと進化してきました。しかし、こうした顧客の囲い込み戦略は、ポイント施策等の「人為的なロイヤリティ」が横行することとなりました。(※:コトラー マーケティングの未来と日本 より)さらに、SNSの普及やICTの進化により、NPS「推奨意向」の計測が重視されていますが、さらに顧客との共創関係や企業のミッション・ビジョン、提供価値が企業におけるマーケティングのガイドラインになった今、企業として、まさにカスタマー・エンゲージメントの構築が求められていると弊社では考えています。

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では、実際の調査結果はどうだったのか?
次回は、ファストファッション業界を例として、各社のカスタマー・エンゲージメントのベンチマーク結果と売上との関係性に関して、お伝えしたいと思います。